「接続のジレンマ」を解決するイグスの陸上電力供給システム

10月 28, 2024

世界初の移動式陸上電力供給システム『iMSPO』が Electric & Hybrid Marine Expo Europe 2024で Ports and Harbor Innovation of the Year賞を受賞

イグス(ドイツ本社)の陸上電力供給システム『iMSPO (igus Mobile Shore Power Outlet)』が、アムステルダムで開催された展示会「Electric & Hybrid Marine Expo Europe 2024」にて、港湾分野での革新的な技術やプロジェクトを表彰するPorts and Harbor Innovation of the Year賞を受賞しました。

持続可能性に寄与する海洋技術に特化した展示会での受賞

2024年6月にアムステルダムで開催された展示会「Electric & Hybrid Marine Expo Europe」は、海洋・港湾分野でのエネルギーを電化・ハイブリッド化する技術に特化した展示会で、持続可能性と環境に配慮した技術に焦点をあてています。本展示会で、イグスの陸上電力供給(※1 以下、陸電)システム iMSPO (igus Mobile Shore Power Outlet) が、Ports and Harbor Innovation of the Year賞を受賞しました。本賞は、港湾の持続可能性や効率、安全、運営の向上に寄与する新しいアイデアやソリューションを持つ企業や団体に与えられます。受賞にあたっては、審査委員会より「iMSPOは港湾電化の重要な要件に対応している」と評価をいただきました。
欧州では、気候変動政策「Fit to 55」で「2030年までに温室効果ガスの純排出量を少なくとも55%削減すること」を目標に掲げ、港湾事業者に対しても環境に優しい技術への転換を求める声が高まっており、本章の受賞は業界の発展に大きな影響力をもちます。日本においても、2020年から国交省が陸電に関する検討をはじめており、カーボンニュートラルポート(※2)の実現に向けて国内主要港が陸電設備設置のためシステム等選定に動きだすなど、重要性が増しています。

「接続のジレンマ」を解決する陸電システム iMSPO

港湾では大小さまざまな船が停泊するため、船ごとに適した停泊位置が異なるほか、船側の給電位置が水平・垂直方向につど変化します。港湾側で設けた給電ソケットが1か所に固定されている場合に、船の形状によって電源まで距離が発生し、給電ができない「接続のジレンマ」が問題となります。とはいえ、港湾に複数の給電ソケットを設置することは費用・運用の面から現実的ではありません。
上記の「接続のジレンマ」を解決するソリューションとして、イグスは世界で初めて岸壁を移動する方式で船舶に電力を供給するiMSPOを開発しました。iMSPOは、イグスが提供する陸電ソリューションの中でも最大規模のシステムで、給電ソケットが岸壁を移動することにより400m以上の距離をカバーすることが可能です。1台で大小さまざまなサイズ・種類の船へ給電でき、港湾事業者は設置、運用、メンテナンスのコストを抑えながら、柔軟に陸電設備の設置を計画できます。

世界の主要港で稼働中

iMSPOは、ドイツのハンブルク港をはじめ、大型船が寄港する世界各地の港で採用され、稼働しています。イグスでは、今後国内で陸電設備の設置が加速するにあたり、海外実績から得たノウハウ・提案を武器に、iMSPOおよびイグスのソリューションの提供を通じてカーボンニュートラルポートの形成に貢献してまいります。

※1 陸上電力供給(陸電):陸上の電力を電源から船舶に接続し、停泊中の船舶が必要とする電力を供給するのが「陸上電力供給」。停泊中のディーゼルエンジンをオフにすることで船舶のアイドリングストップが可能になるため、CO₂を削減できる。
※2 カーボンニュートラルポート:温室効果ガス排出ゼロを目指し港湾機能が整備された港(略してCNP)。世界の港でCNP化が進んでおり、国内でも国土交通省主導で取り組みの最中。日本のCO₂排出量の約6割は港湾・臨海部からの排出と言われている。

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Filename: 世界初の移動式陸上電力供給システムiMSPOが欧州で賞を受賞 [イグス].pdf

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