水はけの良い設計、高機能ポリマーのイグリデュールとステンレススチールにより、非常に衛生的なリニアガイドを実現しています。

食品加工業界の機械では、薬品による清掃が日常的に行われています。わずかな隙間に水分が溜まってしまい、機械内の汚染につながることもあります。そのため、衛生設計を重視した部品設計を行う事業者が増えてきています。イグスはEHEDGのメンバーであり、衛生設計ガイドラインに基づいた最初のリニアガイドシステムを開発しました。高機能ポリマー「イグリデュールA160」、ステンレス鋼、洗浄可能なキャリッジの内部など、FDAに準拠した素材を使用し、衛生的な設計を徹底しています。

食品、医薬品、化粧品業界では、特別なルールが適用されます。機械内の部品に求められる最も高い要求が「衛生」です。製品が汚染されることがないようにすることが重要です。そのため、機械メーカーや 設備管理者は、部品に最適な材料を用いて部品を設計することを徹底しています。また、FDAやEUの規制を遵守することも重要です。 「より多くのお客様が、衛生的な設計原則に基づいた最適な設計を望んでいます。化学薬品、蒸気、高圧水による定期的な洗浄工程に耐える開放的な設計を部品に求めています」とイグス社のドライリン・リニア・ドライブテクノロジー担当のステファン・ニアーマンは述べています。イグスは、衛生的な設計ガイドラインに沿ったドライリンWリニアガイドを開発しました。

素材にこだわった隙間のない構造

隙間のないデザインをどう構築するかが大きな課題でした。注目されたのは、水を溜めずに液体を自由に排出できる自己排水型のキャリッジとレールの設計でした。ニールマン氏は、「これはリニア技術市場にとってまったく新しい革新です。これまでのところ、ほとんどの衛生的デザインソリューションは、完全に密閉されたユニットに基づいていました」と説明しています。この新しい自己排水型キャリッジは、FDAおよびEU10/2011に準拠したイグス材料の一つである高性能ポリマー「イグリデュールA160」のみで構成されています。無潤滑のこの素材は、すでに食品業界の数多くのアプリケーションで滑り軸受の材料として証明されています。また、水がたまらないように衛生的なネジや大きな溝を採用し、洗浄液が流れ落ちやすいようにエッジを面取りしています。底部のシールは、レールの下の空間を汚れから保護し、食品の残留物が引っかかることがないようにします。シャフトは残留物ががたまらないように、すべてシールされています。リニアレールには、汚れが付着しにくい微細な表面構造を持たせるため、腐食のない高合金316ステンレスを使用しています。