第11回マヌス賞 受賞事例のご紹介

9月 22, 2023

樹脂製ベアリングの使用事例を競う、イグスの国際コンテスト

イグス(本社ドイツ)は、自社のすべり軸受けを創造的に使用した事例を表彰する、マヌス賞を2年に一度開催しています。11回目の開催となる2023年のマヌス賞では、世界36カ国から480の使用事例が集まりました。アイデアや機能性、節約、効果、差別化などの基準で審査される選考プロセスを勝ち抜き、マヌス賞に輝いた4つの事例をご紹介します。

●マヌス金賞:液体窒素肥料を農地に供給するパラリンケージコールター/J&M Manufacturing社(アメリカ)

J&M Manufacturing社は、無潤滑の樹脂製ベアリングを使った新型の農業機械をサステナブルで経済的に使用した事例でマヌス金賞を受賞し、賞金5000ユーロを獲得しました。同社ではパラリンケージコールターという鍬の機械を開発しており、農家はこれを使ってトウモロコシやジャガイモ、小麦などの農作物に液体窒素肥料を散布しています。メンテナンスフリーで運用し、かつ潤滑剤を地中に混入させないために、パラリンケージコールターの設計者は5つある全てのコールターブレードのピボットポイントで、イグスのイグリデュールすべり軸受を使用しました。イグリデュールは、液体窒素肥料に触れても腐食せず、揺動運動にも耐性があるベアリングです。また、潤滑剤を使用する必要がないため、潤滑剤を使用していた分のコストを削減することができます。

●マヌス銀賞:スリムなデザインの高圧洗浄機ユーザー向けパワードスーツ/Aufratech社(フランス)

マヌス銀賞は、高圧洗浄機を扱う作業員が着用するパワードスーツ「EXO N」の事例でAufratech社が受賞しました。食品業界、造園業、農業などで高圧洗浄機を扱う作業員は、腰に大きな負担がかかる重い機器を使用します。Aufratech社は「EXO N」というパワードスーツを開発し、スーツの中核機能である、ユーザーが背筋を伸ばしたままでランスをガイドできる制御システムのスリム化に成功しました。本事例には、イグリデュールすべり軸受とドライリンリニアガイドが採用されています。

●マヌス銅賞:自治体車両向けの伸縮式高圧洗浄機/Fiedler Maschinenbau und Technikvertrieb GmbH社(ドイツ)
マヌス銅賞は、汚れた道路や広場を清掃する自治体車両向けの高圧洗浄機の事例でFiedler Maschinenbau und Technikvertrieb GmbH社が受賞しました。この高圧洗浄機の特長は、拡幅可能な洗浄ノズルを備えている点です。この機能を実現するために、Fiedler社はドライリンリニアガイドを採用しています。ドライリンリニアガイドは耐食性に優れているため、摩耗や水、砂、砂利、ブレーキダストに強い耐性があります。加えて、非常に頑丈であるため、縁石や石畳を通過する際の激しい衝撃や振動に耐えることができます。

●グリーンマヌス賞:ローダーワゴンや堆肥散布機などに使用される無潤滑ボール式連結装置/Rockinger Agriculture GmbH社(ドイツ)

グリーンマヌス賞は、ローダーワゴンや堆肥散布機、ダンプカー、農業用噴霧機用の無潤滑ボール式連結装置「KS80」の事例でRockinger Agriculture GmbH社が受賞しました。この連結装置はカプラーとツメで構成され、高さを調整する機構に設置されています。このボール式連結装置内部には、イグスが同社のために開発したイグリデュール製の頑丈で高性能な耐摩耗性インサートが搭載されています。潤滑油を使用しない一体型の固体潤滑剤により、低摩擦かつ土壌汚染の恐れがない無潤滑運転が可能となりました。同社の試算では、ドイツにあるトラクターの3分の1が「KS80」と耐摩耗性インサートを搭載すると、約8,300個分のボール式連結装置が無潤滑で済むことにより、年間8トンのグリスを節約できるとしています。

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